大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(オ)245 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする

理 由

上告代理人弁護士藤田作次の上告理由は、後記のとおりであっで当裁判所はこれ

に対し次のように判断する。

上告理由第一及び第二について。

原判決は、所論のように賃貸借の建物を賃貸人が第三者に賃貸若しくは使用させ

る必要あることのみを目して借家法一条の二の正当の事由と認めたのではなく、被

上告人(被控訴人)側における事情として、被上告人は従来個人営業として来た室

内装飾品の製造販売業を株式会社D商会を設立して経営することゝなり被上告人自

らその代表取締役となつたところ、右会社の営業上本件建物の係争部分の使用を必

要とするに至つた事実を認定すると共に、上告人(控訴人)側における事情として、

上告人が小樽市内に二十戸余の貸家を所有し生計を支うるに足りる収入があること、

上告人は別に住居を構えており同市a町には他に賃貸していない建物を所有するこ

と等を認定し、これら諸事情を綜合した上、被上告人が上告人に対し本件賃貸借を

解約する正当の事由あるものと判断したのであつて、その判断は違法とは認あられ

ず所論のように借家法一条の二の解釈を誤つたものと言うことはできない。そして

また原判決の説示する趣旨は右のとおりであつて首肯するに足りるのであるから、

原判決には所論のように理由不備の違法もない。

よつて、本件上告を理由ないものと認め、民訴四〇一条九五条八九条に従い、裁

判官全員の一致した意見で主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

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裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

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